a piece of voice (2005.01)
3冊の本からなるこの作品は、それぞれの表紙に3人の名前が記されている。ひとつは作者の名前「Masato Ito」であり、他のふたつはそれぞれ「Noboru Aoyama」「Aoi Mochizuki」と記されている。
「Masato Ito」の本にはひとつの小説が書かれてある。他の2冊にはその小説から抜粋された2人の登場人物のセリフがそれぞれ書かれてある。その人物のセリフとは「Noboru Aoyama」のセリフであり、「Aoi Mochizuki」のセリフである。
観客はこの作品を手に取って見ることができる。そして本の表紙から名前という情報を得て、本の文章からそれが小説であるという情報を得る。しかし3人の名前がフラットに記されていることにより、それらの人物がフィクションであるのか、ノンフィクションであるのか、あるいはこの物語がフィクションであるのか、それともノンフィクションであるのかは、分からないままである。
この作品は表層でフィクションとノンフィクションが混同し、その両極の中で、また主体と客体の中間地点で物語の在り方というものを問う作品である。
2006|本|15.5×22.2cm, 174ページ ×3冊
「Masato Ito」の本にはひとつの小説が書かれてある。他の2冊にはその小説から抜粋された2人の登場人物のセリフがそれぞれ書かれてある。その人物のセリフとは「Noboru Aoyama」のセリフであり、「Aoi Mochizuki」のセリフである。
観客はこの作品を手に取って見ることができる。そして本の表紙から名前という情報を得て、本の文章からそれが小説であるという情報を得る。しかし3人の名前がフラットに記されていることにより、それらの人物がフィクションであるのか、ノンフィクションであるのか、あるいはこの物語がフィクションであるのか、それともノンフィクションであるのかは、分からないままである。
この作品は表層でフィクションとノンフィクションが混同し、その両極の中で、また主体と客体の中間地点で物語の在り方というものを問う作品である。
2006|本|15.5×22.2cm, 174ページ ×3冊