2004.09.30 -流れの中で-
日本では台風が過ぎ去ったようで、澄み渡った青い空の下、目覚める朝を思う。
僕はこの2ヶ月、右も左も分からないこのドイツで、刻々と激しさを変える波に流され、その流れの中で書いていた。自らが流れの主となるか、それとも周りの流れに乗ってしまうかは問題ではなく、大事なのは今自分が流れている方向を見定めることができるかどうか。
僕は目を瞑って音を聴く。流されていく音を聴く。山の奥深くから一滴の水が生まれ、やがてその水滴が海に辿り着く。空は晴れ渡り、僕は目を開ける。僕はゆっくり、少しずつ、流れの中の一歩を踏み出す。
「そう、あなたは分かっている。前を見てください」と彼女は言った。
